Interrop Tokyo カンファレンス

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YB-05

6月13日(木) 12:10-13:30

「サイバーファースト」のデジタル戦略 ~データの価値を成長に~

概要

経済産業省が発表した『2025年の崖』としても注目されている「デジタルトランスフォーメーション(DX)」は、「デジタル技術がリアルな工場の生産や物流などに組み込まれ、IT技術によって最適化される」という、“サイバーファースト”な社会や生産の変革を表わします。デジタル技術によって実社会の取引や生産活動がより鮮明に描き出され、またこれまでは見えなかった「需要のありか」が把握できることで、企業内部や企業間の活動がデジタル主導で最適化されることが期待されます。

Facebook・Amazon・Netflix・Googleなどのサービスプラットフォーマーは、高精細のパーソナルデータを分析することで、これまでは統計上の数字でしかなかった「群衆」から、人々を「デジタルな個人」として浮かび上がらせました。こうした分析能力はデジタルデータの潜在的な価値を最大化させ、プラットフォーマーの戦略的な資本となっています。

このような中、本セッションでは、最初に「サイバーファースト」な社会における、需要の把握やデジタルデータの戦略的な利用について解説します。そのうえで、現代の生産システムへの影響――IoTによる製造ラインのインテリジェント化やインダストリー4.0など――についての考えを述べます。つぎに、「サイバーファースト」に対応したITシステムの最新動向を、アプリケーションのフロントエンド・バックエンドの双方における革新に着目して取り上げます。これには順に、「ユーザーインターフェースやユーザー体験の分析手法の取り入れ」と、「変化に柔軟に対応するための、マイクロサービスやDevOpsの実装」を含みます。最後に「モノの生産」から「コトの共創」への価値創造の変化について、論評考察します。

要旨
  • 「サイバーファースト」な社会における、需要の把握・デジタルデータの戦略的利用
  • 「IoT」による、製造ラインのインテリジェント化
  • 「インダストリー4.0」などの、現代の生産システムへの影響
  • 「サイバーファースト」に対応した、ITシステムの最新動向(フロントエンド・バックエンド双方での革新)
  • 「モノの生産」から「コトの共創」への価値創造の変化(「デジタル資本主義時代の価値創造」の議論から)
講演者

Co-chair

中川 郁夫

(株)インテック プリンシパル/大阪大学 招聘准教授 博士(情報理工学)

Co-chair

浅羽 登志也

(株)IIJイノベーションインスティテュート 取締役/ 日本品質管理学会 副会長

Speaker

山下 克司

IBM Japan Distinguished Engineer

Member of IBM Academy of Technology

日本IBMに入社以来、適用業務パッケージの開発を経てネットワーク分野のテクニカル・リーダーを務める。2007年にはネットワーク仮想化技術などの貢献を評価され米IBM本社からディスティングイッシュト・エンジニアの称号を認定され技術理事に就任。2010年から2012年まで日本IBMのクラウド・コンピューティング事業の技術統括をするチーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)に就任。現在はグローバル・テクノロジー・サービスのデリバリー部門の技術理事として、IBMのテクノロジーサービス、コグニティブ・オートメーションなどの最新技術を推進し、講演や寄稿を行っている。

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